ある日何気にTwitterのスペースを覗いたら写真家の新納翔さんが、写真家志望の若者にアドバイスをされていた。
その内容は自分にいままでない視点で写真観が大きく変えられた。
詳しい内容はこういうところに書いていいのかわからないのでざっくり書きますが、簡単に言うと職業芸術写真家として身を立てたいなら、プリントを頑張りなさい!て話。
相談者さんは、SNSで写真を発信してフォロワーを集め、ある日しかるべき人に見初められてプロ写真家になってゆくルートを思い描いていそうでした。
新納さんはそのルートはきっぱり否定されて、芸術写真家の場合マーケットがちゃんとあってその実力を評価するのは今の時代であってもプリントでしかないとおっしゃってました。
ディーラーやバイヤーさんのところへ足しげく自慢のプリントを持ち込んで営業し売り物になるか判断してもらう世界。
そういうしかるべきプロに、お!君は凄い写真撮るねって認められないと仕事依頼も来ない。
正直僕は今どきは、PCやタブレット、スマートフォンでの写真鑑賞っていうのもありなのではないだろうかと考えてました。
相談者さんも恐らくそんな感覚があったんじゃないでしょうかね。
でも、スクリーンというのはどうしても実力以上に良く見えてしまう。
画面で見栄えする作品もプリントすると破綻している場合もある。
将来的にはどうなるかわからないけど、今は LIKE 押すのにお金かからない。
これが1イイね100円になったらどうだろう、果たしてその写真はみんないいねしてくれるだろうか?
SNSで人気者になって、街の写真屋さん的な立ち位置には立てるかもしれない。
レイヤーさんに支持されて人気カメコにもなれるかもしれない。
でも、世界のアートマーケットで作品が取引されるような写真家になれるかというとそれはなれないでしょうという話。
大雑把にはそんな内容でした。
めちゃくちゃ面白かったです。
SNSで写真が人気になり有名になることと、世界のアートマーケットで作品を売ることができる写真家になれることではそもそもステージが違う。
運動会とオリンピックぐらい舞台が違う。
運動会で1等賞を取る世界観を批判するわけではない。
ただ、プロの写真家を目指すのであればプリントしないと始まらない。
だからプリントしようと語っておられました。
めちゃくちゃ聞いてて納得した。
この話を聴いて真っ先に思い浮かんだのが高校生の大野晃士朗くん。
多分僕のタイムラインで唯一写真ではなくプリントについて語って発信されている。
デジカメ写真時代になって、彼と同じ年代の人でプリントに拘って写真に関わっている人って見たことないのでこの年代のトップランナーである可能性がある。
今後を楽しみに観てゆきたい。
大野君とも新納さんのスペースの内容をTwitter上でシェアしているのでよかったら読んでみて下さい。
昨日のスペースで新納さんが喋ってた内容良かったなー。
— リチャード カメラ好き好き😍 (@sukisukicamera) 2021年7月10日
あのトークに沿った話で行くと写真家って感じの発信してるの俺のタイムラインでは大野君 @tapiocamera_com ぐらいだな。
アーティスト視点ではプリントで思考錯誤ない殆どの人は土俵にすら上がってない感じなのね。
納得したし刺激になった。
話聞いて、久しぶりに、写真集団 Magnum の写真集を開いた。
そう言えば、先日行った岩合光昭さんの写真展もプリントが本当にお見事でした。
凄い写真家はプリントに凄みが出るってそういう事なんですね。